薬剤師に向いている人は
薬剤師の仕事内容について今まで簡単に説明してきました。薬剤師がどんな職業かイメージがわいてきたでしょうか?
ここで、薬剤師の仕事をするにはどんなことが大切か、どんな人が向いているか、考えてみましょう。
1.人々の健康を守る仕事に異議・意欲を感じている人
薬剤師に医療の担い手としての役割が求められるようになり、薬学だけでなく医学に関する知識を身につけることも必要となってきました。人々が効率的・効果的に薬を使用するためにどのような手助けができるのかを積極的に考え、知識・技術の向上のための努力をいとわない姿勢が薬剤師には求められます。
また、薬は人々のからだに大きな影響を与えるものです。薬の使用方法を間違えると、ときには命にかかわる事態さえ引き起こしかねません。人々の健康、生命にかかわる重要な仕事にたずさわることに誇りをもち、責任をもって自分の仕事をおこなうことができる人が薬剤師に向いているといえるでしょう。
2.ていねいに正確に仕事をする人
人々のいのちにかかわる薬剤師の仕事において、ミスは絶対にあってはならないことです。調剤した薬を複数の薬剤師が確認するなど、ミスを防ぐための工夫もいろいろされていますが、まずは1人ひとりの薬剤師がていねいに、そして正確に仕事をすることが重要です。
調剤の際、細かな秤量作業などもあり、「薬剤師には器用な人が向いているのではないか?」などと思う人もいるかもしれませんが、特に器用というわけでなくてもていねいに作業を行うことで秤量などを正確に行うことは可能となります。調剤など薬剤師の仕事には速さが要求されるものもあり、そういった場合もあせらず正確に作業を行えることが薬剤師に求められる資質なのです。
3.人と接するのが好きな人
薬剤師の大切な仕事の1つである服薬指導を行う際は、その薬の効能・効果、使用法、注意点などを患者にわかりやすく説明する能力が求められます。服薬指導に必要な薬歴を管理するために、患者に関する情報を正確に聞き出す必要もあります。
また、医療チームの一員として働く薬剤師には、患者との対話が必要です。医師や看護師など他の専門職とも連携を取りながら治療にあたらなければいけません。
製薬会社で開発担当者やMRとして働く場合には、医療の現場と自社研究スタッフを結ぶという仕事上、たくさんの人々と接します。
このように、薬剤師の仕事には自分の伝えたいことを正確に相手に伝え、必要な情報を正確に聞き出すというコミュニケーション能力が重要視されるのです。
4.「一生勉強!」という覚悟がある人
薬剤師は薬の専門家としての知識を身につけていることを証明する資格ですが、資格を取得すれば勉強は終わり、というわけではありません。新薬は次々を誕生してきますし、病棟業務などを行うには医学知識も必要です。医学は日々進歩しています。常に最新の情報を得て、それを患者さんの治療に役立てるため、仕事以外の時間も勉強をするという心構えが、薬剤師という職業には必要なのです。
5.好奇心旺盛な人
薬剤師として仕事をしていくためには、薬系大学在学中から薬について勉強していく日々が続くことになります。薬のもととなる植物の成分にはどのようなものがあるか、人体のしくみはどのようになっているのか、○○という薬はなぜ××という病気に効くのか、A薬とB薬の相互作用はなぜ起きるのか、ということなどについて、「どうして?」{なぜ?」と疑問をもち、その疑問を解決していくことに喜びを感じられるような好奇心旺盛な人が勉強を楽しんでできるでしょう。
6.体力・精神力がある人
薬剤師になるためには、相当ハードなカリキュラムをこなしていく必要があるので、薬系大学で学ぶには体力・精神力が必要といわれています。
薬剤師はミスが許されない職業です。忙しい調剤室では、多数の患者の調剤を一定時間内にこなさなければならないため、スピードも要求され、立ったまま忙しく立ち働くことになります。そういった場合に疲れが出て集中力がおとろえミスを招く、といったことがないように、体力をつけることが必要です。
また、忙しくてもあせったりいいかげんな仕事をしたりせず、いつでも正確な仕事をすることができる、疲れていても日々の勉強を続けることができる精神力も大切です。